このシリーズでは、介護福祉士国家試験の過去問を1問ずつ、やさしい日本語で解説しています。
今日は第38回の問題9です。
テーマは「在宅復帰に向けたカンファレンスでの多職種連携」です。介護老人保健施設(老健)は、入所者が家にもどるための準備をする施設です。そこでは、いろいろな職種の人たちが力を合わせて、利用者さんが安心して家にもどれるように支援します。それぞれの職種にはどんな役割があるのか、一緒に見ていきましょう。
Aパート
科目:介護の基本
【問題9】
次の記述のうち,介護老人保健施設における在宅復帰に向けたカンファレンスで,介護福祉士が連携する職種の役割として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 歯科衛生士が,義歯を作成する。
2 看護師が,車いすを貸与する。
3 介護支援専門員(ケアマネジャー)が,訪問介護計画を作成する。
4 福祉用具専門相談員が,下肢の機能訓練をする。
5 作業療法士が,自宅の玄関の段差を確認する。
『介護老人保健施設』
リハビリをしながら、家にもどる準備をするための施設のことです。
『在宅復帰』
施設や病院から、自分の家にもどって生活することです。
『カンファレンス』
関係する人たちが集まって、話し合いをする会議のことです。
『連携』
力を合わせて、一緒に取り組むことです。
『職種』
仕事の種類のことです。
『訪問介護計画』
訪問介護(ホームヘルプ)のサービスを、どう行うかを決める計画のことです。
『下肢』
腰から下の、脚の部分のことです。
『段差』
床や道の、高さが変わっている場所のことです。
作業療法士が,自宅の玄関の段差を確認する。
介護老人保健施設(老健)は、入所者が家にもどれるように、リハビリや支援をする施設です。家にもどる前には、医師や看護師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士など、いろいろな職種の人たちが集まってカンファレンス(会議)を行います。
そのなかで作業療法士は、利用者さんが安全に自宅で暮らせるように、実際に自宅を訪れて、玄関の段差やトイレ、お風呂など、生活の環境を確認する役割を持っています。段差があると転倒してけがをする危険があるため、事前に確認しておくことは、とても大切な仕事です。だから、選択肢5が最も適切です。
歯科衛生士が,義歯を作成する。
入れ歯(義歯)を作るのは、歯科医師の仕事です。歯科衛生士は、口の中を清潔に保つケアや、虫歯を予防するための指導などを行います。
看護師が,車いすを貸与する。
車いすなどの福祉用具を貸し出すのは、福祉用具専門相談員の役割です。看護師は、健康管理や医療的なケアを担当します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)が,訪問介護計画を作成する。
介護支援専門員(ケアマネジャー)が作るのは、生活全体を支えるための「ケアプラン」です。訪問介護計画は、訪問介護事業所の「サービス提供責任者」が作成します。
福祉用具専門相談員が,下肢の機能訓練をする。
下肢など、体を動かす訓練を行うのは、理学療法士や作業療法士の仕事です。福祉用具専門相談員は、福祉用具を選んだり貸し出したりする役割を担います。
・老健施設は、「家にもどるための準備をする場所」です。
・職種ごとに役割が決まっています:歯科医師=義歯、福祉用具専門相談員=福祉用具の貸与、ケアマネジャー=ケアプラン、理学療法士・作業療法士=機能訓練や環境調整。
・作業療法士は、自宅の環境を確認して、安全に暮らせるようにアドバイスする役割を持っています。
次回は問題10、介護老人福祉施設における「リスクマネジメント」について解説します。お楽しみに。
※この記事は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公開している過去問をもとに作成しています。

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