介護福祉士国家試験 過去問解説 第38回 問題30

第38回

第38回 問題30(Aパート コミュニケーション技術)
今日のテーマは「要約ようやく」です。利用者りようしゃがいろいろな話はなしを次々つぎつぎにすると,何なにをどう答えたらよいか迷まようことがあります。そんなとき,介護福祉職かいごふくししょくはどんな言葉ことばを返かえせばよいのでしょうか。今日は,その答え方かたについて考かんがえていきましょう。

問題もんだい

A介護福祉職かいごふくししょくは,認知症にんちしょう(dementia)のあるBさん(80歳さい,女性じょせい)と会話かいわをしている。Bさんは,「私わたしは小ちいさい頃ころ,毎年まいとしお祭まつりに行いくことが楽たのしみでね」「なんだか最近さいきんひざが痛いたいような気きがしてね」「今から何なにをしようかしらね」と,次々つぎつぎに話はなしている。A介護福祉職かいごふくししょくは,Bさんが混乱こんらんしないように,「Bさん,子こどもの頃ころの思おもい出でや体調たいちょうのことをお話はなしくださっているのですね」と返答へんとうした。

次のうち,A介護福祉職かいごふくししょくが行おこなったコミュニケーション技術ぎじゅつとして,最もっとも適切てきせつなものを1ひとつ選えらびなさい。

1 要約ようやく
2 承認しょうにん
3 賞賛しょうさん
4 共感きょうかん
5 同意どうい

ことばの説明せつめい

『混乱こんらん』
頭あたまの中なかがごちゃごちゃになって,わからなくなること。

正解せいかい
1要約ようやく
やさしい解説かいせつ

Bさんは,「お祭まつりの思おもい出で」「ひざの痛いたみ」「これからのこと」と,いろいろな話はなしを次々つぎつぎにしています。

A介護福祉職かいごふくししょくは,「子こどもの頃ころの思おもい出でや体調たいちょうのことをお話はなしくださっているのですね」と,Bさんが話はなした内容ないようを,短みじかく分わかりやすくまとめて返かえしています。これが「要約ようやく」という技術ぎじゅつです。

散ちらばった話はなしを要約ようやくしてもらうと,Bさんも「自分じぶんの話はなしを分わかってもらえた」と安心あんしんしやすくなり,混乱こんらんも防ふせぎやすくなります。だから,正解せいかいは1番ばんです。

ほかの選択肢せんたくしは,なぜ違ちがう?
2承認しょうにん

承認しょうにんは,「そのとおりですね」と相手あいての考かんがえや気持きもちを認みとめる技術ぎじゅつです。A介護福祉職かいごふくししょくの言葉ことばは,Bさんの話はなしの内容ないようをまとめているだけなので,違ちがいます。

3賞賛しょうさん

賞賛しょうさんは,「すごいですね」とほめる技術ぎじゅつです。A介護福祉職かいごふくししょくの返答へんとうには,ほめる言葉ことばは入はいっていないので,違ちがいます。

4共感きょうかん

共感きょうかんは,「寂さびしかったですね」のように,相手あいての気持きもちに寄よりそう技術ぎじゅつです。A介護福祉職かいごふくししょくは,Bさんが話はなした内容ないようをまとめただけで,気持きもちには触ふれていないので,違ちがいます。

5同意どうい

同意どういは,「わたしもそう思おもいます」と相手あいての意見いけんに賛成さんせいする技術ぎじゅつです。Bさんは意見いけんを言いっているわけではないので,違ちがいます。

おぼえるポイント

■ 要約ようやくとは,相手あいての話はなした内容ないようを,短みじかくまとめて返かえすことです。
話はなしがいくつも重かさなったときに使つかうと,相手あいても頭あたまの中なかを整理せいりしやすくなります。

■ 「要約ようやく」「承認しょうにん」「賞賛しょうさん」「共感きょうかん」「同意どうい」は,どれも似にているようで役割やくわりがちがいます。
内容ないようをまとめるなら「要約ようやく」,気持きもちに寄よりそうなら「共感きょうかん」と,返答へんとうの中身なかみで見分みわけましょう。

■ 認知症にんちしょうのある利用者りようしゃが次々つぎつぎに話はなすときは,否定ひていせず,話はなしの内容ないようを整理せいりして伝つたえ返かえすことが,混乱こんらんを防ふせぐことにつながります。

※この記事は公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん 社会福祉ふくし振興しんこう・試験しけんセンターが公開こうかいしている過去問かこもんをもとに作成さくせいしています。

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