介護福祉士国家試験 過去問解説 第38回 問題29

第38回

第38回 問題29(Aパート コミュニケーション技術)
今日のテーマは「自己開示じこかいじ」です。介護の現場でも,自分のことを少し話すと,相手との距離きょりがぐっと近くなることがあります。この自己開示じこかいじ,いったい何のためにするのでしょうか。今日は,そのことを一緒いっしょに考えていきましょう。

問題もんだい

次のうち,利用者りようしゃとのコミュニケーション場面ばめんで,介護福祉職かいごふくししょくが行おこなう自己開示じこかいじの目的もくてきとして,最もっとも適切てきせつなものを1ひとつ選えらびなさい。

1 自己じこの潜在意識せんざいいしきを活用かつようするため
2 利用者りようしゃとの信頼関係しんらいかんけいを評価ひょうかするため
3 利用者りようしゃに自分自身じぶんじしんの情報じょうほうを知しらせるため
4 利用者りようしゃとの信頼関係しんらいかんけいを形成けいせいするため
5 自己じこを深ふかく分析ぶんせきし,客観的きゃっかんてきに理解りかいするため

ことばの説明せつめい

『自己開示じこかいじ』
自分じぶんのことを,相手あいてに話はなして伝つたえること。

『信頼関係しんらいかんけい』
信しんじて,たよることができる関係かんけい。

『潜在意識せんざいいしき』
自分じぶんでもまだ気きづいていない,心こころの中なかの考かんがえ。

『客観的きゃっかんてき』
自分じぶんの気持きもちを入いれないで,物事ものごとを見みること。

『分析ぶんせき』
細こまかく調しらべて,わかりやすくすること。

正解せいかい
4利用者りようしゃとの信頼関係しんらいかんけいを形成けいせいするため
やさしい解説かいせつ

自己開示じこかいじとは,介護福祉職かいごふくししょくが,自分のことを利用者りようしゃに少し話すことです。たとえば,「わたしも同じ趣味しゅみがあります」のように,自分の情報じょうほうを伝つたえます。

自分のことを話してもらうと,利用者りようしゃは「この人になら,話してもいいかな」と感かんじやすくなります。つまり,自己開示じこかいじは,利用者りようしゃとの信頼関係しんらいかんけいをつくるために行おこなうものです。だから,正解せいかいは4番ばんです。

ほかのせんたくしは,なぜちがう?
1自己じこの潜在意識せんざいいしきを活用かつようするため

自己開示じこかいじは,自分の中にある潜在意識せんざいいしきを使つかうためのものではありません。あくまで,利用者りようしゃとの関係かんけいのために行おこなうものなので,違います。

2利用者りようしゃとの信頼関係しんらいかんけいを評価ひょうかするため

「評価ひょうかする」とは,どれくらいできているかを調しらべることです。自己開示じこかいじは信頼関係しんらいかんけいを調しらべるためではなく,これから作つくるために行おこなうものなので,違います。

3利用者りようしゃに自分自身じぶんじしんの情報じょうほうを知しらせるため

これは,自己開示じこかいじという行動こうどうそのものの説明せつめいです。でも,「なんのために」情報じょうほうを知しらせるのかというと,それは信頼関係しんらいかんけいをつくるためなので,目的もくてきとしては4番ばんのほうが適切てきせつです。

5自己じこを深ふかく分析ぶんせきし,客観的きゃっかんてきに理解りかいするため

これは,「自分じぶん自身を知ること」の目的もくてきです。利用者りようしゃのためではなく,介護福祉職かいごふくししょく自身のための行動こうどうになってしまうので,違います。

おぼえるポイント

■ 自己開示じこかいじの目的もくてきは,「信頼関係しんらいかんけいをつくること」です。
誰かに話はなしかけるときも,まず自分じぶんから話はなすと,相手あいても話はなしやすくなります。

■ 「自分じぶんを知しる」という意味いみの言葉ことば(潜在意識せんざいいしき・客観的きゃっかんてきな理解りかいなど)が出てきたら,それは自己開示じこかいじではなく,自分じぶん自身を見みつめ直なおすための言葉ことばです。

■ コミュニケーション技術ぎじゅつの問題もんだいでは,「誰だれのために」行おこなう行動こうどうなのかを確認かくにんしましょう。多おおくの場合ばあい,答こたえは「利用者りようしゃのため」になっています。

※この記事は公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん 社会福祉ふくし振興しんこう・試験しけんセンターが公開こうかいしている過去問かこもんをもとに作成さくせいしています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました