このシリーズでは、介護福祉士国家試験の過去問を1問ずつ、やさしい日本語で解説しています。今日は第38回の問題6です。
テーマは「障害のある人への外出の支援」です。こだわりが強い人が、自分らしく買物に行けるようにするには、どんなサービスが使えるのか、一緒に見ていきましょう。
問題
Aパート
科目:介護の基本
【問題6】
Aさん(51歳,男性,障害支援区分5)は,知的障害がある。共同生活援助(グループホーム)で生活をしている。日中は,生活介護を利用して軽作業を行っている。Aさんは,タオルに強いこだわりを持っていて,なじみの店で自分が選んだタオルしか使用しない。
これまでタオルは,両親と買いに行っていたが,両親が高齢になり行けなくなった。
Aさんの両親から,サービス管理責任者に,「強いこだわりがあるので,いつも行く店で本人にタオルを選ばせてほしい。何か良いサービスはありませんか」と相談があった。
次の記述のうち,サービス管理責任者の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1.店までの移動に不安があるため,同行援護を勧める。
2.身体機能の維持・向上のために,自立訓練(機能訓練)を勧める。
3.一人で外出できるように,自発的活動支援を勧める。
4.自立した日常生活が送れるように,自立生活援助を勧める。
5.本人が買物に行けるように,行動援護を勧める。
ことばの説明
『障害支援区分』
障害のある人が、どのくらいの支援を必要としているかを表す区分(段階)のことです。数字が大きいほど、多くの支援が必要とされます。
『知的障害』
考えたり、判断したりすることに、生まれつき難しさがある状態のことです。
『共同生活援助(グループホーム)』
障害のある人が、少人数で一緒に生活をしながら、必要な支援を受けられる住まいのことです。
『生活介護』
昼間、施設に通って、入浴や食事の介助、軽い作業などの支援を受けるサービスのことです。
『サービス管理責任者』
障害のある人が受けるサービスの内容を計画し、まとめる役割の人のことです。
『同行援護』
主に、目が見えない・見えにくい人が、外出するときに付き添うサービスのことです。
『自立訓練(機能訓練)』
体を動かす力を保ったり、良くしたりするための訓練のことです。
『自立生活援助』
一人暮らしをしている障害のある人が、生活を続けられるように、定期的に訪問して相談にのるサービスのことです。
『行動援護』
自分で判断することが難しい人が、外出するときに、危険を避けながら一緒に行動するサービスのことです。
正解
本人が買物に行けるように,行動援護を勧める
やさしい解説
知的障害があるAさんは、自分で判断することに難しさがある場合があります。そのため、一人で買物に行くと、危険な目にあうことがあるかもしれません。行動援護は、そうした人が安全に外出できるように、そばで見守りながら一緒に行動するサービスです。Aさんが自分でタオルを選びたいという気持ちを大切にしながら、安全に買物に行けるように支援できるので、行動援護を勧めることが最も適切です。
ほかのせんたくしは、なぜちがう?
店までの移動に不安があるため,同行援護を勧める
同行援護は、主に視覚に障害がある人が対象のサービスです。Aさんは知的障害があるので、この場面では合いません。
身体機能の維持・向上のために,自立訓練(機能訓練)を勧める
自立訓練(機能訓練)は、体を動かす力を保ったり良くしたりするための支援です。Aさんの相談内容は買物への付き添いなので、目的が合いません。
一人で外出できるように,自発的活動支援を勧める
「自発的活動支援」という名前のサービスは、制度として定められていません。今回の相談に対する具体的な提案としては適切ではありません。
自立した日常生活が送れるように,自立生活援助を勧める
自立生活援助は、一人暮らしをしている人の生活全体を支えるサービスです。今回の相談は買物への付き添いなので、目的が合いません。
おぼえるポイント
・行動援護は、自分で判断することが難しい人が、安全に外出できるように付き添うサービスです。
・同行援護は、主に視覚障害のある人の外出を支援するサービスです。
・本人の「こだわり」や希望を尊重しながら、安全に配慮した支援方法を考えることが大切です。
次回予告
次回もこのシリーズで、介護福祉士国家試験の過去問を1問ずつ、やさしい日本語で解説していきます。お楽しみに。
※この記事は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公開している過去問をもとに作成しています。

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