このシリーズでは、介護福祉士国家試験の過去問を1問ずつ、やさしい日本語で解説しています。今日は第38回の問題4です。
テーマは「避難所での生活支援」です。地震や台風などの災害が起きたとき、避難所ではどんな支援が必要なのか、一緒に見ていきましょう。
問題
Aパート
科目:介護の基本
【問題4】
次の記述のうち,指定避難所での要配慮者に対する生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1.避難所内の情報提供には,音声やピクトグラム(pictogram)も取り入れる。
2.避難所内では,二次避難に備えて土足で過ごしてもらう。
3.食事は,被災者の平等性,公平性の観点から同じものを提供する。
4.トイレは,感染予防のために和式便器が望ましい。
5.生活範囲は,区画されたスペースに限定する。
ことばの説明
指定避難所:市や町があらかじめ決めている、災害のときに逃げる場所のことです。
要配慮者:高齢の人や障害のある人、小さな子どもなど、とくに気をつけて助ける必要がある人のことです。
生活支援:日常の生活が送れるように手伝うことです。
ピクトグラム:文字ではなく、絵や記号で意味を伝えるマークのことです。
二次避難:最初に行った避難所から、もっと安全な別の場所へ移ることです。
平等性:みんなを同じように扱うことです。
公平性:一人ひとりの事情に合わせた、正しい扱いをすることです。
和式便器:しゃがんで使う、昔からあるタイプのトイレのことです。
区画:線で区切られた場所のことです。
正解
正解は「1」です。
やさしい解説
避難所には、耳が聞こえにくい人や、日本語を読むのが苦手な人、外国から来た人など、いろいろな人がいます。声だけで情報を伝えると、内容が届かない人が出てきてしまいます。そこで、音声にくわえて、絵や記号(ピクトグラム)も一緒に使うと、多くの人が内容を理解しやすくなります。このように、いろいろな方法を組み合わせて情報を伝えることが、要配慮者への生活支援として大切です。だから、選択肢1が最も適切な答えになります。
ほかのせんたくしは、なぜちがう?
2:避難所の中を土足で過ごすと、清潔さが保てず、みんなが生活しにくくなります。二次避難への備えとは別に、日々の衛生面への配慮が必要です。
3:みんなに同じ食事を出すことは、一見すると公平に見えます。しかし、飲み込む力が弱い人やアレルギーがある人もいるため、一人ひとりに合わせた食事の工夫が必要です。
4:和式便器は、しゃがむ動作が必要になります。高齢の人や体が不自由な人には、洋式便器のほうが安全で使いやすい場合が多いです。
5:生活する範囲を区切られたスペースだけに限定してしまうと、その人の自由や尊厳が守られなくなるおそれがあります。安全に気をつけながらも、できるだけ自由に過ごせるように工夫することが大切です。
おぼえるポイント
・要配慮者への生活支援は「みんな同じ」ではなく「一人ひとりに合わせる」ことが基本です。
・情報を伝えるときは、声だけでなく、絵や記号など複数の方法を組み合わせます。
・トイレや床などの環境は、使いやすさと清潔さを優先して考えます。
・生活する範囲は、安全を守りつつも、必要以上に制限しないようにします。
次回予告
次回もこのシリーズで、介護福祉士国家試験の過去問を1問ずつ、やさしい日本語で解説していきます。お楽しみに。
※この記事は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公開している過去問をもとに作成しています。

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